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厚労省交渉を行いました

2022年3月3日に、全日本医学生自治会連合(医学連)は厚生労働省と懇談を行いました。

新型コロナウイルスの影響により、昨年度同様オンラインでの実施となりました。医学連は毎年、全国の医学生から集めた意見をもとに厚労省と懇談を行い、意見交換を行なっています。今年は「国家試験」、「医師の労働環境」、「研修医の燃え尽き症候群」、「新専門医制度」、「医師数・医療体制」、「予算」の計6項目について要請をしました。要請文はこちら

以下に、その内容と回答についてを簡潔にまとめ、報告します。

 

【医師国家試験について】

①第116回医師国家試験において問われた「生活保護受給者は原則として後発医薬品」という方針について、厚生労働省がこの方針を採る理由、および、本問における作成意図を示すこと、また、来年度以降の医師国家試験に向けて勉強する医学生に差別的な印象を与えないよう、生活保護受給者に配慮した貴省の見解をつけて、回答を公表することを要請しました。

 これについて厚労省は、方針は平成30年の法改正が根拠であり、国民全体として後発医薬品の使用率を上げる意図があると回答しました。作成意図に関しては機密性を保持するために回答できないと伝えられました。

 

②医師国家試験において追試験を導入することを求めました。

 厚労省は、医療関係職種の国家試験は問題作成に時間がかかり、問題を追加作成することが困難であるため追試験は実施していない。従来から健康を理由とした追試験の実施はしていないため、新型コロナウイルス感染症に対する対応も同じであると回答しました。

 

③医師国家試験のコンピュータ制の導入に関して学生に情報を共有することを要請しました。

 医師国家試験のCBT化は現在研究班と議論をしているが、検討段階であるため、導入されるのであれば十分事前に告知、周知されるとの見解でした。導入の具体的年度についてもまだ決まっていないと回答をいただきました。

 

【医師の労働環境について】

①無給医の実態を早急に把握し、働き方改革に伴う法整備をもって根絶を目指すこと。

②医師の働き方に関する議論について、医学生や勤務医の意見を積極的に収集し、反映させること。

③福利厚生の充実と適切な労働管理をもって、女性医師のみならず全ての医師が働きやすい労働環境を整備していくこと。

④臨床医だけでない多様な働き方を前提とし、医師確保のための法整備を行っていくこと。

 この4点について要請を行いました。

 厚労省によると、無給医問題は、労働に見合った対価が支払われるように文科省から指導が行われているため改善の方向に進んでいること、また、問題改善のための予算確保に国が取り組んでいるそうです。また、若手を代表する医師3人ずつに、働き方改革の会議に参加してもらい、状況の改善に取り組んでいると回答をいただきました。

 

【研修医の燃え尽き症候群について】

2024年度より施行される医師の時間外労働上限規制について、臨床研修病院への再度周知および達成度の評価を徹底し、違反については適切に対応をすること、また、研修医への追加的健康確保措置その他の徹底を図ること、研修医の職場環境の調査および改善指導を行うことを要請しました。

 これについて厚労省は、働き方改革における健康確保措置や労働上限の制定などに取り組んでおり、当直に関するルールなどを現在検討中であると回答しました。

 

【新専門医制度に関して】

①各専攻医が抱く循環型プログラムの問題点や満足度などに対してフィードバック調査を実施し、それに対して真摯に対応すること。
②専攻医や学会からの機構に対する問い合わせに関して、綿密に対応するよう日本専門医機構に求めること。
③各都道府県・各領域においてカリキュラム制導入の徹底と、結婚・出産・育児・介護など多様なライフコースに柔軟に対応できる制度運営を機構に求めること。
④各都道府県においてプログラムの質と勤務地の検証を丁寧に行い、専攻医が希望する形でのプログラムを策定するよう機構に求めること。
⑤地域枠学生が実質的に希望する専門医を取得できなくなる事態を回避するため、各都道府県に研修基幹施設を複数設置する、適宜カリキュラム制を取り入れるなど柔軟な対応を行うこと。
⑥専門医制度の運用について、医学生および専攻医がアクセスしやすい形での正しい情報の提供を行っていくこと。

 これら6点について要請しました。

①②④⑥は日本専門医機構の管轄であることから回答は控えられました。

子育て支援については、法改正によって育児休暇が取りやすくなった。専門医についても十分利用できるよう検討したいとの回答が得られました。また、カリキュラム制の導入については専門医機構に要請したいとの意見でした。今後、医学連としては、専門医機構への要請も含めて内容をより検討していきます。

 

【医師数・医療体制について】

①医師の需要と供給に関する統計に関して再検討を行い、医師の絶対数不足を認識した上で議論し、将来の医師数に対する見解を提示することを要請しました。

これについて厚労省は、令和2年に最新の需給推計を出しており、今後も偏在などを考えながら推計を行なっていくと回答しました。医師の偏在については6年前から検討会を行なっており、対策として専門研修におけるシーリングなどを行なっているが、効果が出るまでに時間がかかるため今後も検討していきたいと回答しました。

② ①に伴って、今後の医学部定員増減の計画について説明することを要請しました。

令和5年の医学部定員は決まっているが、令和6年以降は第8次医療計画の中で議論をしている。歯学部振替枠は廃止し、地域枠自体は増やしていくとの回答が得られました。

 

【予算について】

各研修病院が十分な質と量を保ち、研修医および専攻医の望む研修を行えるよう、予算を確保することを要請しました。

 厚労省の回答としては現在予算規模として110億円の予算を確保しているとの回答が得られました。

 

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